南ドイツの郷土料理

ドイツ食

こんにちはSAKUです。

もうすぐオクトーバーフェストの時期ですね。といっても今年もコロナの影響で中止のようです。ドイツ最大のイベントの一つと言ってもいいオクトーバーフェストはドイツに興味がある人なら必ず一度は行ってみたいもの!!では開催地のミュンヘン周辺では何が食べられているんでしょうか?ということで今回は南ドイツの郷土料理について書いていきます。

南ドイツは
  • バーデン=ヴュルテンベルク州
  • バイエルン州
からなります。オクトーバーフェストで知られるミュンヘンもバイエルン州に属しています。ドイツ料理と聞いて多くの人が連想する料理は大体この南ドイツの料理だと思います。もともと温暖で肥沃な大地に恵まれ、小麦やワインの生産が可能だったことから食文化が発達してきました。アルザス地方やフランケン地方といった特色ある地域も含まれています。

南ドイツの食文化

フランス、スイス、オーストリア、チェコに隣接しているため、各国の影響を受けてきました。19世紀にバイエルン王国の君主のヴィッテスバッハ家がバイエルン料理の開発を支援するなどして食文化を繁栄させていきました。それまでは家庭料理に根付いた素朴な料理をが主体となっていました。調理法や名称などをが重なることが多く一概にどこの国からの影響なのかは言えません。

南ドイツの郷土料理

バイエルン地方

ドイツ最大の州であるバイエルン州の南部に属しています。歴史的背景からアルトバイエルンと呼ばれたりもします。これぞドイツといった有名な料理がいっぱいです。

Brezel  プレッツェル

3つの穴が開いた形をしたパン。焼きたては絶品!!基本的に塩味ですがイベント事では甘いバージョンも焼かれます。オクトーバーフェストで売られている人の顔くらいの大きさのプレッツェルよく知られているのでバイエルン発祥と思われがちですがドイツ全土で昔から食べられています。しかしながらミュンヘンにはプレッツェルの美味しいパン屋が多いのも事実です。

Grießnockerlsuppe グリースノッケルズッペ

透明な牛スープにセモリナ粉の団子を浮かべたスープで、南ドイツ、オーストリアの伝統的なスープです。クノール社から発売されたGrießnockerlsuppeのインスタントスープは最初は南ドイツの地域限定商品として発売されました。

Leberknödel レーバークヌーデルズッペ

牛レバーと固くなったパンをミキサーで混ぜて団子状にしたものです。スープに浮かべたりザウアークラウトと一緒に食べたりします。

Böfflamot ベフラモット

起源はビーフアラモードというフランス料理です。牛肉は一般的には食べられてはいませんでしたが、フランス革命で18世紀にドイツに亡命した貴族たちの影響で牛肉食が普及したともいわれています。起源はフランスですが、調理工程はドイツ化されており1~4日間肉をマリネして調理されることが多いようです。

Spanferkel シュパンフェルケル

授乳期の子豚(Ferkel)の丸焼きです。私は1度だけ予約があったので作りましたが、臭みがなく柔らかくとてもおいしいです。5㎏ほどの子豚ならオーブンで3時間ほどで仕上がります。イベント事やパーティで食べられることが多いです。

Schweinsbraten シュバイネブラーテン

ドイツ風ローストポーク。皮目をパリパリになるまでオーブンで焼き上げるのがバイエルン流!!バイエルン地方では隠し味に黒ビールを加えたグレイビーソ―スでいただきます。

Schweinshaxe シュバイネハクセ

圧巻の丸ごと豚すね肉のローストです。もはや説明不要かと思われるくらいドイツ料理の定番ですね。ザウアークラウトやクヌーデルがよく付け合わされます。レシピはこちら!!

Steckerfisch シュテッケルフィシュ

串焼きにされた魚です。主に鱒、イワナが食べられていましたが最近ではサバなども出されるようになってきました。お祭りごとの屋台でよく見かけます。
ドイツではこういった「焼き魚」を食べる機会が少ないのでわたしはどうしても醤油や大根おろしを持参したくなります。 😆 

Kartoffelkäse カルトッフェルケーゼ

ジャガイモチーズという名前ですが、チーズは入っていません。マッシュポテトにサワークリームを混ぜて作ります。ジャガイモの収穫を手伝う季節労働者の休憩のために振る舞われていたスナックです。醸造所のレストランなんかにはまだ出しているところもあるんじゃないでしょうか。

Obazda オバツダ

南ドイツの珍味(?)。チーズディップの一種で、プレッツェルにつけて食べるのがバイエルン流。もとは発酵が進み過ぎたチーズにバターやスパイスを混ぜて食べやすくしたものが始まりのようです。今ではクリームチーズを使ってつくるほうが多いかと思います。レシピはこちら!!

Weißlacker ヴァイスラッカー

世界で初めて特許を取得したチーズと言われているセミハードチーズです。「悪臭チーズの貴族」の異名があるほどクセが強いです。決められたプロセスを守って作られたものだけがヴァイスラッカーを名乗れます。複雑な製造工程とそんなに高くない人気のため年々生産量が減ってきています。
話のタネに一度試してみるのもいいかもしれません。

Bienenstich ビーネンシュティヒ

「ハチの一刺し」という古典的なスタイルのケーキです。名前の由来は明らかになっていません。キャラメリゼされたアーモンドスライスをイースト生地の上にのせて焼いたものにバニラクリームや生クリームをはさんだお菓子で、パン屋に行くと必ずと言っていいほどあります。私も一時期ハマってました。

Dampfnudeln ダンフヌーデルン

ヌーデルンとありますが麺料理ではありません!!甘い中身のない中華まんにバニラソースやベリーソースをかけて食べるスイーツです。クリスマスマーケットではもはや全国区の定番になっています。寒空の下ほかほかのダンフヌーデルンを食べる・・・想像しただけでよだれが 🙂 塩味でスープや肉料理といただくバリエーションもありますが、あまり流行っていません。

Prinzregententorte プリンツレゲンテントルテ

伝統的に8つのビスケット生地とチョコバタークリームの層を作り、周りをチョコクリームでコーティングしています。8つの層はバイエルンの8つの地区を象徴しているらしいです。ウィーンのザッハトルテに似ています。

フランケン地方

行政区としてはバイエルン州の北部一帯に属しています。19世紀初頭にバイエルン王国に併合されたので、それまでの文化がいまだに根強く残っておりバイエルンよりは中央のヘッセン州やテューリンゲン州に近い文化圏になっています。またフランケン語と呼ばれる独特の訛りがあります。ユネスコ無形文化遺産に「フランケン地方の名物」が登録されています。

Schäufele ショイフェレ

ドイツ語でシャベルの意味です。豚の肩肉のオーブン焼きで調理方法はシュバイネブラーテンに似ています。食べ終わった後に残る骨の部分がシャベルの形をしていることが由来のようです。

Karpfen カルプフェン

鯉のことです。基本的に丸揚げされることが多いです。揚げたときに反り返っているほど鮮度がいいとされています。精巣(Milchner)や卵巣 (Rogen)も珍味として食べられていますが、鮮度の問題でレストランでは必ず事前予約が必要です。臭みのなく結構おいしいです。

バーデン地方

ライン川をはさんで西にフランス、南にスイスと隣接しています。ドイツの他のどの地域よりもフランス料理の影響を受けてきました。そのため美食意識は高く、星付きレストランの数はドイツで最も多いです。ドイツでは珍しくカタツムリも古くから食べられてきました。ワインの産地としても有名です。

Schneckensuppe シュネッケンズッペ

カタツムリのスープです。フランスの影響を強く受けてきたバーデンらしい料理です。

Flammkuchen フラムクーヘン

パン屋がオーブンの温度を確認するために試し焼きでつくって食べたのが起源と言われています。非常に薄く伸ばしたパン生地の上にサワークリームと塩コショウ、お好みのトッピングで食べるドイツのピザです。伝統的なトッピングは玉ねぎとベーコン。色々食べてみましたが、これが一番おいしいかもしれない。

Rehrücken Baden-Baden レーリュッケン バーデン=バーデン

狩猟シーズンに食べられるノロジカ料理です。クランベリーを詰めた蒸した梨が付け合わせの定番です。

Schwarzwälder Kirschtorte シュヴァルツヴェルダー キルシュトルテ

ドイツ好きには説明不要!!黒い森の特産品のサクランボを使ったチョコレート生地のケーキです。黒い森の民族衣装の帽子(ボレンハット)がモデルになっているともいわれます。ドイツで最も有名なケーキの一つです。

シュバーべン地方

南部をボーデン湖というヨーロッパ有数の大きな湖に面した地方です。マウルタッシェンという大きなラビオリのような料理の起源と言われています。

Laubfrösche ラウブフロシェ

アマガエルという意味のドイツ語です。カエル料理ではなくほうれん草でミンチを巻いた料理です。見た目が似ているのが由来で、もともとすごくマイナーな料理でしたが料理本で紹介されてからこの地方のスタンダードになったと言われています。

Maultaschen マウルタッシェン

大きなラビオリのような形をした料理です。発祥はマウルブロン修道院でヤコブという修道士が四旬節の時に隠れて肉を食べるために考え出された料理と言われており、Herrgottsbscheißerle(神様だまし) ともよばれます。
神様をだましてまで食べたかったんですね・・・

Käsespätzle ケーゼシュペッツレ

シュペッツレはシュバーべン地方の名物としてよく知られていますが、ドイツ料理屋では一般的にどこでも提供されています。南ドイツのアルゴイ地方でつくられるチーズを使って作るのが古典的なレシピです。オーブンに入れて表面をカリカリにしたり、ローストオニオンを乗せたりして食べます。

とりあえず大まかに書いてみました。南ドイツは本当に多様性のある郷土料理が多くここで紹介したものはほんの一部にすぎません。また、ビールやワインやチーズの生産も盛んです。それらについては追々まとめていければいいなと思っています。こうやって調べてブログに書くことで、改めて自分自身も学べていけるのでこれからも頑張って調べていきます!!
以上SAKUでした!!
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